カップは轆轤で、受け皿は型枠によって制作されています。取っ手は型に流し込んで成型し、18世紀当時の技法による液状陶磁器で手作業で取り付けられています。最初に980度の温度で焼かれた後、無色の釉薬の中に素早く浸して、釉がかけられます。乾燥後に釉薬を吹き付ける技法でかけた後、二度目に1120度で焼き付けます。No.1065:863の24K金彩文様は型押し施されたのち手描きにより丁寧に仕上げられ、プチ・フー(金や色彩を低温で焼き付ける)技法がつかわれます。
焼き付け後は金彩を磨いて艶出しする技法(ブルニサージュ・ア・レフェ)でセーブル工房独自の瑪瑙や赤鉄石を使った技術で丁寧に磨かれることにより「時代物」の風格とサテンのような柔らかい輝きがもたらされます。
この作品のフォームはセーブル陶磁器製作所工房において画家、彫刻家、塑像家として活動したAlain Gauvenet(アラン ゴーヴェネ)によって1955年に創作されました。作品のフォーム名は昔のフランス南西部の地方名から名付けられました(現在のDordogne県にあたる)