二点物:セーブル陶磁器製作所工房ではこの作品は二点しか制作されていません。
【世界中に唯二点】
ミルク碗、受皿は轆轤成型によるものです。最初に980度の温度で焼かれた後、無色の釉薬の中に素早く浸して、釉がかけられます。乾燥後に筆による修正を施した作品は1380度の高温で焼かれます。セーブルブルーラピスラズリの彩色は、着色と乾燥を繰り返し2回にわたり行われ、アナグマの毛の刷毛を用いて均一に修正されます。セーブルブルーラピスラズリは1380度で焼かれます。19世紀スタイルの花模様装飾はCatherine Bleriot(カトリーヌ ブレリオ)により丁寧に手描きで施され、18世紀以来のセーブル工房独自の技法プチ・フー(金や色彩を低温で焼き付ける)により仕上げられています。色彩は研究室で色調を調合された粉末の絵の具を、油性揮発油とテレピン油で混ぜあわせ、筆を使い描きます。絵師によって描かれた装飾は840度で焼付けられます。絵師は絵柄のトーンやボリュームなど全体に細心の注意をはらいます。2度または3度にわたり、1000度以下の低温で焼付けますが、焼き付けた後に、必要ならニュアンスや透明感などの調子を整えるために、さらに微妙に手を加える(ルピック)こともあります。最後に金彩を磨いて艶出しする技法(ブルニサージュ・ア・レフェ)でセーブル工房独自の瑪瑙や赤鉄石を使った技術で丁寧に磨かれることにより「時代物」の風格とサテンのような柔らかい輝きがもたらされます。ユニ・サービスは、デザイナーとしてセーブル工房で制作活動したJules-Constant Peyre(ジュール-コンスタン ペイル)によって作られました。彼は18世紀後期の典型的様式であるネオ・クラシックスタイルで、なめらかな線を持つ皿などの一連の調和された代表的シリーズを製作しました。セーブル工房で、分類上ユニ皿シリーズと呼ばれたこの名前から「ユニ・サービス」が命名されました。このシリーズは、19世紀前半に幾つかの形体(サラダボール、スープ鉢)、後にはさらに新しい器であるサラダ皿やパン皿などが加わることにより、形体デザインが混合されています。
Bleu lapis de Sevres(セーブルブルーラピスラズリ)には、さまざまな特徴があります。特に重要なのは手描きの技術で、これを抜きにしては価値が無くなってしまいます。筆運び次第で、明るい色調や透明感の揺らめき、濃淡のコントラストなどを描くことが出来るからです。