この素焼き白色磁器(ビスキュイまたはビスケット)を取り入れたメダイヨンは、十八世紀から続く成型・修復作業アトリエで制作されました。ここではセーブル陶磁器製作所工房独特の白色磁器や彫刻類(丸彫り、浅浮き彫り)、「セーブルのビスケット」という名称の意図的に釉薬をかけない白色磁器の作品が1751年から制作されています。このメダイヨンで描かれているシーンは20世紀に発見され制作された。画面中央のフリジア兜を被り、若い女性を肩に担いだ大きな男性はトロワを誇示している。羽根がついた愛の天使は情熱の松明をもっている。後ろ右手に若い女性が小箱を抱えもっている。この画面のオリジナルは、後方、左手の船から下船している男性がおり、2人の女性が抱き合っている構図。バーカーコレクションの一部となっている、ブルーと白地の作品は現在ロンドンのビクトリアアルバート博物館に展示されている。又、ポール1世が購入された作品はセントぺテルスブルグのエルミタージュ博物館に展示されている。対の作品として「パリの審判」がある。
参考図書:原典:国立セーブル工房保存文書