この作品は十八世紀の技法による軟質磁器PT(ソフトペースト)によって制作されています。
装飾:カップにはグリーン地に十八世紀の彩色地花文様をDominique Multon(ドミニック ムルトン)により丁寧に手描きで施されセーブル工房独自の技法プチ・フー(金や色彩を低温で焼き付ける)により仕上げられています。カップ、受け皿ともに轆轤成型によるもので、取っ手は型に流し込んで成型し、18世紀当時の技法による液状陶磁器で手作業で取り付けられています。まず1260度で白磁素焼き状態に焼きます。次に釉薬を吹き付ける技法でかけた後、二度目に1120度で焼き付けます。カップの図柄は、18世紀スタイルの額縁に囲まれた薔薇の図が描かれ、受け皿と同様に金彩よる螺鈿模様((狼の歯)と呼ばれる縁飾りが手描きで描かれています。ほそい線模様と取っ手の金彩は24金によるものです。
※フランス国立セーブル陶磁器製作所工房は、フランス国立陶磁器美術館が所有している18世紀制作のオリジナル1点を、モデル(原型)として所有しています。